神経科学者が提案する最新の健康習慣
Dr. Andrew Huberman
(https://hubermanlab.com/about/)
米国の神経科学者であり、スタンフォード大学医学部の神経生物学および精神医学および行動科学部門の終身准教授であり、脳の発達、脳の可塑性、および神経の再生と修復の分野に貢献しています(Wikipediaより)
Podcast等で情報発信されており、昨今すごく人気になっている方ですね!
発信の中から、健康に関するベーシックな習慣やすぐに実践できる事柄を抜粋してまとめてみました!
睡眠の質の向上
睡眠の質は全てのパフォーマンスに影響を及ぼす
- 朝に30-60分のウォーキングする/日光を浴びる
- 起きてすぐにスマホをみない。コルチゾール量が停滞する
- 日中、日光の入りやすい部屋で仕事をする
- 毎日、同じ時間に起きて、就寝は柔軟に眠くなった時に寝る
- 寝る前の8-10時間以内のカフェイン摂取は避ける
- 昼寝は90分以内に抑える、または全くしない
- 寝るときに気温は低め、部屋は暗くする
- 眠りに入るためには体内の温度は1-3 度下がる必要がある
- 就寝前にアルコールは絶対に飲まない
- サプリメント
- マグネシウム 300-400mg
- テアニン 200-400mg
- アピゲニン 50mg
モチベーションの向上
- ドーパミンは集中の深度を深め、目標への行動をとりやすくする
- 一方で、セロトニンはウェルビーイグに関与する
- ドーパミンにはベースラインがあり、停滞・下降する
- ベースラインには遺伝子、行動、睡眠、栄養が関与する
- ベースラインは高すぎても低すぎても良くない
- ストレス、不規則な生活、刺激の強いコンテンツ・食べ物の氾濫/アクセスのしやすさ・依存等により、ドーパミンベースラインは狂いがち
ドーパミンのベースラインを正しく保つ方法
- 起床後、5-10分間は日光を浴びる。曇っている日でも効果は十分
- 概日リズムが整う
- コールドシャワー(冷水を浴びる)
- 夜(22時以降)になったら可能な限り明るい光を浴びないようにする
- 100-400mgのカフェインを摂取する(14時以降に接種してしまうと睡眠の質が低下するので注意)
- 目標達成も重要ではあるが、目標への努力プロセス自体を楽しむことができるとドーパミンは放出され続ける
呼吸の重要性
- トレーニング:鼻から息を吸えるだけ吸い込み、そこからさらにもうひと吸いする。脳に酸素を送り込む
- 緊張時、呼吸は浅くなり吸い込む空気の量が減っているので、この方法は緊張時にリラックスするためにも有効
- 口から肺の中の全ての空気を吐き出す
- 呼吸は神経系・心と体をリラックスさせ、筋肉の回復を助ける
熱(ヒート)に曝される効果
- 熱(ヒート)に曝されることは健康に対して物凄い利益がある
- ドライサウナ、スチームサウナ、湯船、シャワーを利用
- 心臓系の病気発症のリスクを下げる
- サウナの中では体温調節のために体は体温を冷やそうとするため、心拍数と血流が上昇して血管が拡張する
- 80-100℃でセッション毎に5-20分を週に2-3回
- 良い気分になり、ストレスに対する反応を改善する
- コルチゾールレベルを下げ、DNAを修復する
- ヒートショックプロテインを活性し、タンパク質構造を回復する
- 成長ホルモンを放出させる。成長ホルモンは筋肉を成長させ、骨を強化し、細胞を修復し、代謝を上げる
低温(コールド)に曝される効果
- 熱に曝されることと同様、健康効果が莫大
- どの程度冷たいか:「すごく冷たい!ここから出たい、でも安全ではありそう」程度の低温
- アイスバス、首へのコールドシャワーを利用
- 個人的経験:関東地方での真冬のコールドシャワーは普通に生活する中において、凄まじいチャレンジ感と達成感がある
- 脳と体内のアドレナリンとノルアドレナリンを解放する
- これらの神経物質はコールド状態において警戒や動揺を促す
- コールドに留まることで、これらに対する耐久性を上げてエネルギーと集中のレベルを向上させる
- そしてこれらがコールド状況のみならず、日常生活にも適用される
- 精神の耐久性と根性が向上することでタスクの遂行力が高まる
- ドーパミンも放出される
- 筋肉を回復させ、炎症を取り除く
筋力トレーニング
ここで、筋力トレーニングについて私の知っていることをシェアします。
私の知り合いのαさんの比較的に成功と言っても遜色のない体験(&アンチパターンのβさん体験)をシェアします。筋力(肉)トレーニングに関しては様々な"イズム"があると思いますが、αさんのペルソナ像をご理解いただいた上でご覧ください。
αさんのペルソナ
別にボディビルダーになりたいわけじゃない/健康の維持のためにトレーニングをしたい/めんどくさがり/運動嫌い/頑張るのは嫌いだけど成果は欲しい
アンチパターン(βさん)
トレーニングのために着替える → 気に入ったジムに電車で30分かけていく → そこに集う沢山の同胞と切磋琢磨する → たくさんのマシーンを使い時間をかけて体の様々な部位を満遍なく鍛える → 己を知りウェイトの無理はしない → 混雑でマシーンの使用待ち時間が発生しても急かせず笑顔で"いい人感"をキープする → 目標回数を達成できなかったので次回はウェイトを下げる → 回数を稼ぎたいから素早い動きをする → できるだけ頑張りたいから明日も行く → お金を払っているのだしジムのシャワーを利用させていただく → 週にトータル6.5時間をかける → 目標を高く設定する → ガチ勢に使用ウェイトを鼻で笑われたけど悔しさをバネに頑張ろうと思う → 「自分は頑張った」と思いながら電車で帰る → ある日、努力している割に目標を達成できないことに気づく → モチベーションが落ちる → 行くのがめんどくさいと思う → お金がもったいないのでジムを解約して諦めて自堕落気味な生活に戻る → モチベーションが回復して再開するが同じ理由で挫折する → このサイクルを延々と繰り返して成果を実感できない
αさんのパターン
着替えず普段着でトレーニングする → 家から自転車で3分の"そこそこ"のジムへ行く → 混雑しない曜日・時間帯・条件を時間をかけて研究する → トレーニング部位を定めて一日に利用するマシーンは2つに限定する → 所定の回数を達成できるギリギリなウェイトで己の限界を攻める → 終わったら3分の休憩後すぐに次のマシーンを利用する → キツすぎて所定回数を達成できなかったがウェイトを変えずに次回来た時に再チャレンジする → 伸縮の動作にそれぞれじっくりと 5秒カウントする → ウェイトと結果は毎回トラッキングする → 筋肉の回復には思いのほか時間がかかることを忘れず週2回以上はトレーニングしない → ガチ勢に使用ウェイトを鼻で笑われたが完全に無視して自分の今できることにフォーカスしてやるべきことをやる → 終わったらさっさと自転車に乗り帰り、すぐに仕事を再開する → 週にトータル30分をかける → 毎回自分の限界に挑むこと・徐々にウェイトが上がっていくプロセスを楽しむ → 人間の調子には上下があることを知り柔軟にスケジューリングしてサイクルを延々とループさせる
合わせて醸成したい健康的なマインドセット
The Subtle Art of Not Giving a F*ck: A Counterintuitive Approach to Living a Good Life / Mark Manson
give a f※ckの意味 = [かまう・気にする]
なので、not giving a f※ckの意味は、[かまわない・気にしない]です。
要約:
何にかまわないか。ライフに起こる、かまわなくても済む様々な面倒なことにかまわない。
金持ちになれば面倒なことが減るかといえば、そんなことはなく変わらず面倒なことが次から次へと押し寄せてきます。
SNSではすごい人がすごい能力や財産を常に発信しています。”すごくある”ことが普通であり、すごい人になり目立つことが目標として刷り込まれていきます。
ですが、そもそも人間はすごくなくても幸せに健康に生きることができます。健全な食事をして十分な睡眠をとることもその手段の一つです。
面倒なこと・ジャンクな情報は洪水のように押し寄せてきます。
であれば、何にかまう(= give a f*ckする)必要があるでしょうか。
隣の芝生は青く見えますが、魅力的に見える物事の裏には必ずネガティブな要素もくっついているものです。いいところだけ見え、そこだけを羨ましく思うわけですが、いいところだけをゲットできるわけではありません。
つまり、何かを得たい場合はそのネガティブな部分/問題を含めてマルッとゲットすることになるわけです。
何を得たいか、それは他人の尺度ではなく、自分が本当に欲しいものである必要があります。判断を謙虚に行い、他人との違いを受け入れることも必要です。確実性はそれを妨げます。
まずはアクションを起こすことです。モチベーションがアクションを生むのではなく、アクションがインスピレーションを生み、インスピレーションがモチベーションを産みます。
かまうべき対象にかまう時、もちろん問題は発生しますがそれは"良い"問題です。そして良い問題をゲットするとき、それを解決し続けるための"良い"ライフをゲットできます。
書評:
文体としてポップで軽快なノリで書かれていると感じますが、哲学的な問いの提示があり、それに対する独自でクリエイティブな解釈が随所に見られます。
とてもおしゃれ且つ読み応えのある本です。内容自体に俗っぽい感じも特にないと感じます。